バドミントンスコアシートの書き方徹底解説|公式記入例とダブルスの注意点
大会運営や部活動、市民オープン大会で審判やスコアラー(記録員)を任された際、「スコアシートの書き方が合っているか不安」「ダブルスのサーバー交代でパニックになった」という経験を持つ方は少なくありません。バドミントンの試合はラリー展開が非常に速く、得点計算と連動したコートポジションの把握が必須となるため、正しい記入手順を理解していないと重大な記録ミスにつながります。
日本バドミントン協会(NBA)の競技規則および公認審判員規程に基づき、現行のラリーポイント制(21点3ゲームマッチ)におけるスコアシートの正式な書き方を徹底解説します。シングルス・ダブルスそれぞれの記入例から、セッティング時の延長記載、インターバルやゲームオール(ファイナルゲーム)でのエンド交代、警告(イエロー・レッドカード)の記入記号まで、現場ですぐに役立つ実践ノウハウを網羅しました。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:スコアシート記入の基本は「得点した側の欄に累積点数を記入し、サーバー側の枠に対角線(スラッシュ)を入れる」規則性の完全把握にある。
- 要点2:ダブルスでは「得点時にのみポジションを交代し、サーブ権移動時はレシーブ側が位置を変えない」原則をシート上のプレイヤー記号(A/B/C/D)で追跡する。
- 要点3:20-20のセッティング時は29-29(最大30点)までの延長枠を正しく使い、11点インターバルやエンド交代時の枠移動をあらかじめ想定しておくことでミスをゼロにできる。
スコアシート記入の基礎知識|ラリーポイント制21点マッチの基本構造と役割分担
バドミントンの公式競技規則では、主審(アンパイア)とスコアラー(記録員)が連携して試合を進行します。市民大会などでは主審がスコアラーを兼任する場合も多いため、一人でコールと記録を同時にこなすスキルが求められます。記録の基本骨子となるラリーポイント制21点マッチ(3ゲーム中2ゲーム先取)の構造を整理しておくことが正確な記録への第一歩です。
公式試合で使用されるシートは、公益財団法人日本バドミントン協会の公式スコアシート(PDF形式で公式サイトから入手可能)が基準となります。一般的な練習試合やローカル大会では、日本バドミントン協会のフォーマットに準拠した無料テンプレートのダウンロードデータを印刷して使用するケースが主流です。
試合開始前には、以下の事前確認事項をシートのヘッダー部分に正確に記入します。
【試合開始前の記入必須項目】
・大会名、開催日、会場名、コート番号、マッチ番号
・種別(男子/女子/混合・単/複)、ステージ(トーナメント回戦・リーグ戦)
・チーム名および選手氏名(ダブルスの場合はペア両名のフルネーム)
・主審、線審(ラインジャッジ)、スコアラーの氏名
・トス(コイントスまたはシャトル落下)の結果:勝者が選択した「サービス権」または「エンド(コートサイド)」、および敗者の選択内容
トス終了後、主審からサーバーとレシーバーの指定を受けたら、スコアシートの選手名横に「S(サーバー)」「R(レシーバー)」の初期ポジションを記入し、試合開始時刻(例:10時15分)を記載して準備を完了します。

【シングルス編】スコアシートの基本記入例と得点・サーブ権の記録手順
シングルスにおけるスコアシートの記入は、得点が入るたびに「どの選手が」「何点目を獲得したか」「どちらからサーブを打つか」を記録する直線的な作業です。スコアシートには選手A(左側/上段)と選手B(右側/下段)の得点マスが用意されています。
シングルス記録の鉄則は以下の3ステップです。
1. サーバーの保持と得点加算:サーバーがラリーに勝った場合、その選手の得点欄の次のマスに累積得点(例:「1」「2」)を記入します。
2. サービスオーバー(サーブ権移動):レシーバー側がラリーに勝った場合、レシーバーの得点欄に新たな累積得点を記入し、直前のサーバー側のマス右下に斜線(/)を入れてサーブ権が移動したことを明記します。
3. スコアの読み上げと確認:主審は「サービスオーバー、〇対〇」または「〇対〇」とコールします。スコアラーは主審のコールと自分の手元の点数が完全に一致しているかを常に目視確認します。
バドミントンのルール上、サーバーの持ち点が偶数の場合は右側サービスコート、奇数の場合は左側サービスコートから対角線上にサーブを打ちます。スコアシートに記載された点数を見るだけで、選手が正しいコートサイドに立っているかを即座に判別できる状態を維持することが重要です。
どちらかの選手が11点に到達した時点で、主審は「インターバル」を宣言します。スコアシートの該当得点マスを太線や四角で囲み、インターバルに入ったことを視覚化します。ゲーム終了時(21点先取、またはセッティング時)は、勝者の最終得点を二重線や丸印で確定させ、終了時刻を記録します。
【ダブルス編】最もミスが多いサーブ権とサーバー・レシーバーの追跡法
ダブルスのスコアシート記入は、審判講習会でも最も質問とミスが集中する難所です。現在のラリーポイント制では「ワンハンド・サービスルール」が採用されており、サーブ権が1回移動するごとにチーム内でサーバーが交代します。プレイヤーをA・B(チーム1)およびC・D(チーム2)と表記し、スコアシート上で追跡します。
初心者が混乱する最大の原因は、「得点した時」と「失点した時」で選手の立ち位置が変わるかどうかの混同にあります。以下の法則を暗記してください。
【ダブルスの絶対原則】
・サーブ側が得点した場合:サーバーだった選手のみが左右のコートを移動し、同じ選手が連続してサーブを打つ(パートナーは位置を維持)。シートには連続して得点を記入。
・レシーブ側が得点した場合(サービスオーバー):両チームとも立ち位置は一切移動しない。新しくサーブを打つ選手は「そのチームの現時点の累積得点が偶数なら右コートにいる選手、奇数なら左コートにいる選手」となる。
・シートの記録では、得点枠内に「点数」を記入し、サーブ権を失った側の枠には斜線(/)を引いて次のサーバーのアルファベット(例:BやC)の行へと記録を移行させます。
例えば、第1ゲーム開始時、チーム1のAが右からチーム2のCへサーブを打ちます(0-0)。
・ラリー1:チーム1が得点(1-0)→ Aが左コートへ移動し、シートのAの行に「1」を記入。
・ラリー2:チーム2が得点(1-1)→ サービスオーバー。全員位置を変えず、チーム2の累積得点は「1(奇数)」なので左コートにいるDが新サーバー。Aの行に斜線を入れ、チーム2のDの行に「1」を記入します。
この追跡を正確に行うことで、インターバル明けや抗議が発生した際にも「誰がどちらのサイドからサーブを打つべきか」を即座に復元できます。

セッティング・エンド交代・インターバル時の特殊な記入手順
試合が拮抗した場合やゲームが第3ゲーム(ファイナル)にもつれ込んだ際には、スコアシート特有の特殊な記入手順が発生します。焦りから記録が乱れやすい3つのケースを解説します。
1. 20-20からのセッティング(延長戦)記入方法
スコアが20対20の同点になった場合、主審は「セッティング、20オール(Setting 20 all)」を宣言し、2点差がつくか、最大30点に到達するまでゲームが続行されます。スコアシートの21点以降の予備マス(22〜30)を使用し、通常通り得点と斜線を記入していきます。29対29になった場合は「次の1点を取った側(30点)」が勝者となり、30点目を獲得した時点でゲーム終了の記号を記入します。
2. インターバル(60秒・120秒)の記載
いずれかの選手(ペア)が11点に到達した際、最大60秒間のインターバルが与えられます。また、第1ゲームと第2ゲームの間、第2ゲームと第3ゲームの間には最大120秒間のインターバルが設定されます。スコアシートの所定欄に11点到達時のスコア(例:11-8)およびゲーム終了スコアを明記し、所要時間(試合開始から終了までの分数)を正確に計算して記録します。
3. ゲームオール(第3ゲーム)の11点エンド交代の書き方
ゲームカウント1対1となり第3ゲームに突入した場合、どちらかが11点に到達した時点で両者はエンドを交代(チェンジエンド)します。公式スコアシートでは第3ゲーム用の記入欄が左右または上下で分かれており、11点到達時のスコアを一度確定させた後、エンド交代後の記録欄へと書き写して後半戦の記録を再開します。この際、サーバーとレシーバーの左右位置を交代後のコートに合わせて再確認することが不可欠です。
警告・フォルト・レット発生時のスコアシート記入記号と審判コール手順
競技規則第16条(行動規範・不法な遅延など)に違反した場合、主審は選手に対してペナルティを科します。これらの事象はすべてスコアシートに公式記録として残す必要があります。
| 事象・判定区分 | スコアシート記入記号 | 主審の公式コール用語 | 現場での注意点・編集部見解 |
|---|---|---|---|
| 警告(イエローカード) | 該当選手の枠に「W(Warning)」 | 「〇〇(選手名)、ウォーニング・フォー・〜」 | 不当な遅延やラケット投げ等。得点変動なし、累積管理が必須。 |
| フォルト(レッドカード) | 該当選手の枠に「F(Fault)」 | 「〇〇(選手名)、フォルト・フォー・〜」 | 警告後の再違反等。相手側に1点加算されるため得点欄の記入も連動。 |
| 失格(ブラックカード) | 該当欄に「DISQ(Disqualified)」 | 「〇〇(選手名)、ディスクオリファイド・フォー・〜」 | 競技役員長(レフェリー)の承認が必須。極めて稀な重大違反記録。 |
| レット(やり直し) | 得点欄への記入なし(備考欄に記載) | 「プレイ・アゲイン(Play again)」 | シャトル破損や他コートからの侵入。直前のスコア・位置を完全維持。 |
| 怪我による中断(タイム) | 中断時刻・再開時刻を備考欄に記載 | 「サスペンド(Suspended)」 | 競技役員長の許可による治療時間管理。原則1回のみ認められる。 |
審判用語(コール手順)としては、試合開始時の「ラブオール・プレイ」、得点時の「〇(サーバー側点数)-〇(レシーバー側点数)」、サーブ権交代時の「サービスオーバー、〇-〇」、ゲーム決着時の「ゲームポイント」「マッチポイント」、ゲーム終了時の「ゲーム」を正しい順序で発声します。

【実態検証】利用者の生の声と現場目線で見えたリアル
大会現場のスコアラーや部活動の指導者、地域バドミントン連盟の審判員への聞き取りおよびSNS上の実態調査を行うと、スコアシート記録に関して共通するリアルなトラブルと課題が浮き彫りになります。
「Yahoo!知恵袋」やバドミントン審判コミュニティでは、以下のような失敗談が毎年多数投稿されています。
【現場から寄せられるリアルな声とトラブル実態】
・「早いラリーでどちらの得点かわからなくなり、主審と点数が食い違って試合を止めてしまった」(市民大会スコアラー経験者)
・「ダブルスでサーブを打つ選手を書き間違え、相手ペアから『サーバーが違う』と指摘されてパニックになった」(高校バドミントン部マネージャー)
・「第3ゲームの11点チェンジエンドで、交代前の枠にそのまま書き続けてしまいシートがぐちゃぐちゃになった」(ジュニア大会運営保護者)
これらのミスの大半は、「書くことに集中しすぎてラリーを見ていない」または「ラリーに見とれて記入のタイミングが遅れる」という注意配分の偏りから発生しています。主審がコールした音声を頭の中で復唱しながら、コールと同時にペンを動かすリズム感を確立することが現場でのトラブル回避に直結します。
一般に知られていない盲点とネットの誤解
ネット上の簡易解説や動画などで広まっている情報の中には、現行ルールと乖離した古い知識や誤解が散見されます。代表的な3つの誤解を正しく認識しておきましょう。
誤解1:「ダブルスではサーブ権が移ったら必ず右側の選手から打つ」は間違い
オールドファンや旧ルール(15点サイドアウト制・セカンドサービスあり)の経験者に多い誤解です。現行ラリーポイント制では、サービスオーバー時にどちらが打つかは「そのチームの累積得点が偶数か奇数か」によってのみ決まります。チーム得点が3点なら、左コートに立っている選手がサーバーとなります。
誤解2:「書き間違えたら修正テープや消しゴムで消して直す」は公式戦ではNG
公式記録としてのスコアシートにおいて、修正テープや修正液の使用は原則として認められていません。書き間違えた場合は、間違えた数字の上に横二重線(=)を引き、そのすぐ上または横に正しい数字を明記します。主審または競技役員長の訂正サイン(イニシャル)を添えるのが正式な作法です。
誤解3:「セッティングの選択権は20点に追いつかれた側にある」は旧ルール
かつては追いつかれた側にセッティングを行うかどうかの選択権がありましたが、現行ルールでは20-20になった時点で自動的にセッティング(2点差または最大30点)が適用されます。スコアラーが選手に確認を取る必要はありません。
【プロの結論】審判業務でパニックを防ぐための行動基準とチェックリスト
スコアラーや主審を務める際、試合進行を完璧にコントロールできる人と、ミスを連発してしまう人には明確な行動パターンの違いがあります。自身の役割を正確に果たすための判断基準を整理しました。
【向いている人・実践すべき行動基準】
・ラリーが終了したら、まず主審のハンドシグナルとコールを確認してから記入する。
・「得点記入」と「サーバー側の斜線引き」を必ず1セットの動作として実行する。
・インターバル時には両チームの選手に「〇対〇」と声を出して指差し確認を行う。
・シャトルがコート外に出ている隙間時間に、次のサーバーと位置関係を先読みする。
【慎重になるべき・避けるべきNG行動】
・ラリー中にスコアシートを見つめたまま下を向き、判定の瞬間を見逃す。
・記憶に頼って数ラリー分の記録をまとめて後から記入しようとする。
・選手からの位置確認の質問に対して、スコアシートの裏付けなしに直感で答える。
・書き間違いを消しゴムで消そうとしてシートを汚したり破いたりする。
【バドミントン スコア シート 書き方】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:スコアシートの公式PDFはどこで手に入りますか?
A1:日本バドミントン協会(NBA)の公式ウェブサイト内の競技規則・審判関連ページから、公式フォーマットのPDFファイルを無料でダウンロード可能です。また、各都道府県のバドミントン協会や連盟のホームページでも、同様の公式テンプレートが配布されています。
Q2:ダブルスでどちらがサーブを打つべきか見失った時の確実な確認手順は?
A2:スコアシートの記録を1点目から逆算する必要はありません。直前のサービスオーバーが発生した時点のチーム得点を確認し、「得点が偶数ならゲーム開始時に右にいた選手が右、奇数なら左」という原則と、直前の得点記入行を照合すれば即座に正しいサーバーが特定できます。
Q3:試合終了後、スコアシートには誰がサインをしますか?
A3:試合が終了したら、主審、スコアラーが所定欄に署名を行い、勝者(場合によっては両チームの選手または監督)がスコアと勝敗に相違がないことを確認してサインを行います。最後に競技役員長(レフェリー)または大会本部にシートを提出して正式承認を受けます。
Q4:11点インターバル時、シートには何を記録すればよいですか?
A4:11点に到達したチームの点数マスを四角で囲むなどしてインターバル発生を明示し、その時点の経過時間を記録します。選手がコート外へ水分補給やアドバイスを受けに出たことを確認し、60秒経過後にスムーズに再開できるよう時計を計測します。
Q5:レット(やり直し)になった場合、スコアシートはどう処理しますか?
A5:レットが宣告された場合、得点は加算されず、サーブ権も移動しません。スコアシートには何も数字を記入せず、直前の記録状態のまま次のラリーのサーブを待球します。必要に応じて備考欄に「レット発生」とメモを残します。
まとめ:正確なスコアシート記入がスムーズな試合運営をつくる
バドミントンのスコアシートは、単なる点数の記録用紙ではなく、試合の全履歴を再現し、競技の公平性を担保するための公的ドキュメントです。ラリーポイント制の規則性、得点とコートポジションの連動、ダブルスのサーブ権移行ロジックを体系的に頭に入れておくことで、どんなに目まぐるしい試合展開であっても落ち着いて正確な記録をつけることが可能になります。
最初は練習試合やクラブ内マッチでスコアラーを繰り返し経験し、「コールを聞く→確認する→記入する」のリズムを身体に馴染ませていくことが上達への近道です。正確な記録スキルを身につけ、選手たちが安心して全力を尽くせる試合環境を支えていきましょう。 (出典: バドミントン スコア シート 書き方(Yahoo!ニュース))